ベンチャー企業で働いていた時の話

IT

そもそも転職のきっかけ

大企業で働いていた時の話で書いたようなとき、ある種のヘッドハンティングのお話をいただきます。新入社員のときに同期・同じクラスだったけども転職を繰り返して金融関係のキャリアを積んだ方から。今関わっているベンチャー企業で近々情報システム部を立ち上げるのでぜひ協力してほしいという内容でした。面接のため、平日午前半休を取得することができた時期だったのも大きかったか。帰れないくらい忙しい時期もあるわけだから。トントン拍子で内定をいただくわけですが、退職の報告にいくとき直属の上司には大変止められました。止められなかったらショックかもですが、しかし彼らの説得材料は、退職金なのです。かれらはあと10年ほど無事に務め上げたら満額もらう権利を獲得するなどということをいつも考えているようで、当時の僕のそれは、ほとんど上がらないタイミングだったため、もう数年がんばってみればと。それをどうやって振り切って決断したか覚えていませんが、やはり現場にネガティブな印象が強かったのだと思います。ここで30年後に2000万円ほどもらえる権利を放棄して、転職することを選択しました。

今から考えても、この時の決断がその後の人生を大きく変えています。一回やめているので、もうその権利は取り戻せない。逆に言うと縛られるものがないってことだなぁと前向きに考えています。

さて。ベンチャー企業では、SEとして入り、主に社内情報システムの整備が最初の仕事でした。初めて稟議書なるものに触れたりしたのもいい経験でした。なんせ、前職では経費でものを買う申請など一切したことがありません。そういうことは全て上司や購買がやってくれるものでしたから・・・ここで自分で買うものには発注・納品・請求などの手続きがあるということを初体験することになります。

印象的なお仕事①salesforceの導入・運用

 当時の取締役が熱心に推進してくれたsalesforceの導入を進めたのが最初の大きな仕事でした。

当時、営業事務アシスタントが、営業部全員から状況をヒアリングして営業進捗資料を作っていました。予算達成のためのロジックもあまり存在せず、上層部をモヤモヤさせていたように思います。それらを、いつでも営業部の進捗状況が見れますよ!基本的な予算達成のためのロジックも最初から組み込まれていました。これを入れたらサイコーだぜ!!・・・とはやはりというか、ならなかったのです。まず、誰も入力しない。これまでアシスタントのヒアリングに答えていたらOKだったのが、自分で新しいシステムを覚えて入力しなきゃいけない。ここをクリアするのは非常に大変。取締役のトップダウンがあってもなかなか厳しく、この段階は自分たちが入力したものがどのように可視化されるのか、それで上層部がどう助かるのかを理解してもらうことで徐々に変わっていきました。しかし、結局リアルタイム性に欠け、毎週の重役会議の前に必ず営業部が集まって進捗の報告をする会議などはなくならず。まとまったお金を使った割には効果を出すことができませんでした。SE時代のお客さんもこういうことで苦労されていたのかなと。IT導入の大きな挫折を味わいました。

印象的なお仕事②アラームメールシステム構築

もうひとつの大きなお仕事は、お客さんに納品した機械の健康管理。もともと、その機械のパッケージで遠隔監視と言って、東京のオフィスから全国にある機械を監視できるようになっていました。しかし納入先が30を超えてきてから、一つ一つ確認していく作業が厳しくなり、また異常を示す信号を確認するタイミングもだんだん遅くなってきていました。それを会社に置いたサーバーから10分に一回チェックし、異常があったらメールで知らせる。言葉で書くとたったこれだけのことですが、機械についていたソフトウェアそのものではこの仕組み、実現できなかったのです。そのソフトウェアに付属していたAPI(プログラムの部品にあたるもの)を組み合わせて、足りないところはプログラミングで補って、ある程度安定稼働するまでにはだいぶかかりましたが、そのおかげもあっていまだに使われているようです。

それ以外は、セキュリティシステム等を提案したりしたものの、結局会社自体の業績が思わしくなく、システム投資にまとまった予算を割り当てられることはなく。自分でいろいろ低予算でできる範囲で作ってみたりしたものの、定着に至ることはありませんでした。

そして中小企業診断士に出会った

社内SE以外の仕事もたくさんしました。なんせ、予算がないので暇なのです(語弊あるけど)。営業でお客さん所にもいきました。総務や人事の仕事もしました。そこで感じたこと。会社って従うべきたくさんのルールがありながら、中小企業の現場はこんなに脆弱で、給料の計算や税金の計算とかを新人の子がやってる。大企業にいた頃は会社に聞けば、法律で決まっていることは全部教えてくれた。でも、今はそれじゃダメだ。自分の身は自分で守らなきゃと考え、会社経営全般を学べる資格とか、ないかなぁと探して見つけたのが【中小企業診断士】でした。資格取得を目指すことにしたきっかけは、まさにこの体験でした。