大企業で働いていた頃の話

IT

 2002年に新社会人になり、それから10年間はコンビニをはじめとするいろんな小売店の店舗や本部で動く情報システムの開発や運用をしていました。

そもそも経済学部出なのにSEとは、父親や弟の理系思考の影響が少なからずあり、何かしらものづくりをしたいなと考えており、そして、SE業界も大量に採用を出していた時期でした(これは、あとから入社後3年で半分が辞めるというデータがあったことを知るわけですが)。バイトも家庭教師の他は、ローソンのロッピーのハードウェアを入れ替える仕事を1店舗当たり確か4000円(交通費含む)とかの激安でやってました(しかもそこにベテラン年代の方もたくさんきていたことを今思い出した)。

新卒〜3年目くらい(化粧品屋さんのPOSシステム開発)

入社後しばらくは枯れた技術(新しく出てからたくさん使われ、問題が出尽くしていると考えられるため、安定して使えるが、技術トレンドからは遅れ始めている)を使って先輩の言う通りのプログラミングをやっていました。最初の部署で大きな転機は、今では当たり前のように身の回りにあるBluetoothという無線規格を初めて搭載した機器にプログラムを積み込んだシステムを構築した時のこと。当時は無線通信が本当に不安定で、システムに重要な役割を果たすデータベースを頻繁に壊して回る厄介者でした。結局リリース近くになってもその問題は収まらず、さすがにリリース延期になると思っていたところ、お上から予定通り行くとのお達し。確か150店舗程度に導入されていたシステムだったので、毎日問題が発生した店舗に回って修正して回る。その裏で、なんとか安定させる努力をするチームとでもう大混乱でした。今はデスマーチというかっこいい?名前がついていますがまさにそういう状況でした。このとき、確か2004年の2月。残業160時間を記録しこれが最大値です。(当時はこれが自己紹介がわりだったことも・・・)

 当時は全くお上の事情が理解できなかったものですが、

  リリース延期になると3月末決算までに売り上げが立たない→事業部の業績に迷惑がかかる。→やりながら品質を安定させてなんとか決済をもらう。

という、まぁなんとか理解できるロジックは見えるようになりました。中小企業レベルだったら、「この売り上げが立たなかったら給料払えない」などと説得に似た脅しになってしまうかもなレベルの話だったのかもしれません。

4年目〜10年目

 4年目が終わる頃、プログラマーとしては枯れた技術をずっと担当していて、このままだと自分のキャリアまずいな・・・と少しずつ考え出していた頃。新規大規模プロジェクトに若手を集めていると言う話が。憧れのデータベース、Oracleを触れる(当時数千万円だったように記憶)機会がもらえると言うことで迷わず手をあげました。そこで担当したのが、これも当時出現したばかりのBI(Business Interigence)システムの構築チーム。顧客の社長や顧客が全国の店舗の売り上げや天気、イベントなどを掛け合わせて原因を分析し、新しい指示に生かすという今では見える化、可視化などのキーワードでどこでもよく見る形ではありますが(それでも大規模なものを実現するのは大変なはず)、当時はそこにどんな価値を与えられるのか、迷走していました。それでも、大きなシステムに関われること、たくさんの仲間とみんなで作ったシステムの完成をみんなで喜び合い大きな達成感を確かに当時は感じていました。システムが完成し、チームを離れて1年ほど経った頃、顧客企業が大手(業界用語で青いコンビニ)に吸収合併されるという話になりました。一つのコンビニチェーンにシステムは一つだけ。2年以上かけて構築したシステムは1年間しか使われずその役目を終えることになりました。この頃から、世間的にもコンビニチェーンの統廃合が急加速するようになったように記憶しています。コンビニ業界のお仕事は急速にシュリンク(縮小)していくんだろうなぁ、とぼんやりと気づき始めた出来事でした。

 その後も、別のコンビニチェーン(ここも最近吸収されました)のお仕事の開発などに関わりながらも、システムの数が増えないと言うことは、開発チームが増えないということで、同期の中でも中の下くらいだった自分は新人や協力会社の(実はすごいエキスパートの人もいたり)方と一緒に現場の作業をこなす日々が3年ほど続き。なかなかモチベーションの上がらない日々を過ごしていました。最後は、別プロジェクトの大規模障害の調査のアリバイ作りに駆り出され(こんな体制で調査しているけど原因不明なんです~泣)、久しぶりに死にそうになりました。

 とはいえ、いろんな部署をたらい回しにされたおかげで、コンビニのシステムの全体像が見えてきて、基本的には【受発注】【販売】【会計】【店舗人事】などで成り立っているんだなぁということは理解してきました。いつか、これをちゃんと話せるSEになりたいな、とはぼんやり思っていた気がします。この本の第3版の頃に大変お世話になりました。当時の部長の太鼓持ちで、緑のコンビニの常務さんに持っていくプレゼン資料を作った時なんかは大変役に立ちました。もう5版なんですね。やはり名著だったということですね。

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