不動産売買仲介のお仕事第一号

お仕事

初めて不動産売買の仲介のお仕事をいただきました。

これまでのお話

去年の7月、現在の事務所を豊島で借りるときに、地域にいらっしゃった有資格者の方に仲介をしてもらったのですが、その内容にとても不満を感じたところから、不動産業に対する興味をもち。昨年の10月に宅建士試験を受験、12月くらいに合格発表があり、2月に実務スキルを補完する講習、4月に宅建士登録を行ってきました。

それから、現場の師匠に弟子入りさせていただき、呉市の住宅政策課に制度の提案をしたり、空き家の持ち主から空き家の紹介を受けて、空き家バンクの登録を勧めたり、ぼちぼち不動産業の種まきをやってきましたが、この7月に空き家バンクの買主様から、売買手続きの仲介のお話を頂きました。売買ですよ売買。最初の案件は賃貸だろうなぁって漠然と考えていたのですが、空き家バンクに関わっていくならこの展開も予想できたはずだったかもです。

どの分野でもそうですが、最初の一回のお話をいただくのが本当に大変。なので、そう時間が立たないうちにそのようなお話をいただけて本当にありがたかったです。ありがとう、私にとってのおソノさん。トンボさんか。(昔のジブリ好きな人、わかって!!)

こういう感じの作品です。思い出して欲しいのは。

空き家バンクを通じた売買のすすめかた

今回の経験を通じて、空き家バンクに登録されている売主さんが、同じく空き家バンク経由で買主を見つけた場合の段取りをまとめてみます。今回は仲介というか(マッチングはしていないので)売買の支援といった感じでしたが、物件を売りたい人買いたい人にとって参考になれば。

こちらは呉市の空き家バンクのサイト。自治体ごとに運営されているため、取り組みの充実度や真剣さには差が出ざるを得ない印象。。。。
空き家バンクはマッチングしか行わず、自治体は仲介業務を行わないため、原則は個人間取引となります。そこで、今回その取引部分の支援をご依頼いただきました。

1.現地確認

  買主側の目的に障害となる事項がないか確認します。子育てだったら周辺環境、家庭菜園をやるなら土壌に問題がないか、購入後に買主側の出費につながる事項などはこのときに売主からヒアリングを行い、洗い出します。必要に応じ、役場や電気事業者等に確認を取る。この時に聞いたことは契約書に記載しておきます。

2.条件整理

  一般財団法人不動産適正取引推進機構(宅建試験を行っている団体)が出している標準契約書が非常に優秀です。これまでの争いの内容がある程度網羅されていて、大手から中小までこれをベースに契約書を作成されています。それを使い、”手付金・一時金を支払うか”、”瑕疵担保責任をどうするか”、”付帯設備についての譲渡はどうする”などの条件を整理していきます。

 契約書の雛形って本当に過去の争いから生まれた知恵の結集だなと思います。今回は当てはまりませんが、住宅ローンを使った時の定め、契約から決済までの間に物件に火事があったらどうするのか、などは過去に契約書に明記しなかったゆえの争いが頻発したから標準化されたのでしょうし、買主売主が反社会勢力に関わりのないこと、をお互いに宣言し違反の場合のペナルティを明記するなどは時代の要請ですね。

3.決済の段取り

the 札束を初めて拝見いたしました。

 契約書内で整理された条件において、売買の実行を行います。不動産の場合は、「代金の全額決済」と「不動産所有権移転登記」を同時に行うことが一般的な売買の手続きになります。とはいえ、代金は100万円単位であることが普通ですし、不動産所有権移転登記についても、必要書類が多岐にわたり、更にやろうと思えば売主側は2重売買などの不正を行うこともできる(あくまで可能性の話ですが)ため、一番神経を使うところであります。なので、登記手続きについては一般的には司法書士さんにお願いする傾向にあります。

所有権移転登記に必要な、売主から提供される登記識別情報通知。オンライン登記システムへの移行に伴い登場。

 また、今回は本人同士が顔を付け合わせて取引を行ったのですが(これもはじめて会う人同士が本人であることの確認は100%はなかなか難しいところがあります)、ここに代理人が入ってくると、その代理人が法的に正式な権限を持っている人なのかどうかなど、どんどん確認すべきことが多くなってくる。この辺をどう単純化できるかは、工夫・調整のしどころと感じます。

終わりに

資格取得や開業準備を通じて不動産取引のさまざまを勉強してきました。

試験勉強で得た知識は、分野が多岐にわたり、正確には専門家(弁護士や税理士など)に確認すべきことも多かったですが、そのようなものがあるということを知る意味があるかな。
実務補習セミナーはすごく役に立ちました。実際の取引で目にするような書類や契約書の書き方なども勉強させていただきました。
そして、そこでも学ばなかった、不動産取引の慣行、(いい意味で)力の抜きどころ、他士業との連携ポイントなどは、現場の師匠に教わりながら、今回の取引をやりきることができました。
田舎だからこその住宅市場事情なんかも少しずつわかってきました。これをステップに、売主、買主、そして仲介業者みんながウィンウィンウィンとなれるような取引を模索していきたいと思います。

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